2025.08.21
はじめに|建設業界に迫る“三重苦”とは
2025年現在、日本の建設業界はかつてないほどの課題に直面しています。
それが「人手不足」「資材高騰」「法改正への対応」の三重苦です。
一つひとつでも十分にインパクトのある課題ですが、これらが同時多発的に進行している今、企業・現場・職人すべてが大きな岐路に立たされています。
この記事では、建設業界の構造変化を整理しながら、それぞれの課題にどのように向き合うべきか、現場視点での対応策を交えて考察していきます。
60代以上が主力。若年層は入ってこない
厚生労働省の統計によると、建設業就業者の平均年齢は48.4歳(2023年)。
そのうち60歳以上の職人は全体の約3割以上にのぼります。
若年層の新規入職者は減少傾向にあり、現場の担い手不足は今後さらに深刻化する見通しです。
熟練工の高齢化と退職により、伝統的な技術やノウハウの継承が困難になり、施工品質やスピードに大きな影響が出ています。
また、若手の教育にも時間がかかるため、工期の長期化やクレームリスクも高まっています。
コロナ禍以降、世界的なサプライチェーンの混乱や円安の影響で、屋根材・外壁材・建具・断熱材など、あらゆる建築資材の価格が上昇。
建材メーカー各社も相次いで価格改定を行っており、現場では都度見積もり調整が必要になっています。
工事受注時と発注時の資材単価が異なることで、原価割れとなるリスクが増加。
特に中小工務店や一人親方では、こうした価格変動への対応が難しく、利益率の低下や廃業リスクにつながっています。
2024年4月から建設業界にも働き方改革関連法(36協定)による残業規制が適用されました。
従来のような「人海戦術」や「突貫工事」が通用しなくなり、工期の調整や人員配置の見直しが求められています。
2023年に始まったインボイス制度も、下請け企業・個人事業主には大きな負担となっています。
特に職人個人がインボイス登録していないと取引先に敬遠されるなど、現場レベルでの経済的影響も少なくありません。
複数の業務をこなせる「多能工の育成」や、特定技能制度を活用した外国人材の導入が有効。
国際的な人材受け入れ支援を行う外部パートナーとの連携がカギとなります。
2. 建材商社との連携による価格・納期リスクの回避
資材の急な価格変動や納期遅延に対応するには、複数メーカーの建材を扱える柔軟な商社との連携が有効です。
メーカーにこだわらず、機能・価格・納期で材料を選定できる体制を構築することでリスクを分散できます。
3. IT・クラウド活用で業務効率を向上
現場日報や進捗管理をクラウド化・デジタル化することで、少人数でも効率的に業務を回すことが可能。
業務フローを見直すことが、“人が足りない”をカバーする最も現実的な第一歩です。
「人手不足・資材高騰・法改正」という三重苦は、今後しばらく建設業界にとって避けられない現実です。
しかし、これらの課題を“変化のチャンス”と捉え、柔軟な仕入れ体制・人材戦略・業務効率化を進めることで、業界として新たなステージへと進むことができます。
鈴屋商事では、施工現場を支える建材商社として、変化に即応する提案力と物流力で現場をサポートしています。
“現場を知る商社”として、これからの建築業界に必要とされる存在を目指し、共に未来をつくっていきます。
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